おたからや 北高島店

中国切手がなぜ人気か

2025/07/12

1. 文化大革命による歴史的希少性
中国切手の人気と価値を語る上で、**文化大革命（1966年〜1976年）**の影響は不可欠です。この期間、切手収集は「ブルジョワ的」とみなされ、収集が事実上禁止されました。

・現存数の激減:文化大革命以前に発行された切手の多くが破棄されたり散逸したりしたため、現存する数が極端に少なくなりました。

・文革期の切手（文革切手）の希少性:文革期に発行された切手（文革切手）自体も、発行枚数が少なかったり、政治的な理由ですぐに回収・廃棄されたりしたものが多く、極めて希少価値が高くなっています。

・歴史的資料としての価値:文革切手は、当時の政治的スローガンや社会の動向を色濃く反映しており、歴史的資料としての価値も高いとされています。

この歴史的な背景が、多くの中国切手の絶対的な希少性を生み出し、現在の高額な取引価格の基盤となっています。


2. 芸術性と文化的な価値
中国切手は、そのデザインにおいて高い芸術性を持つものが多く、美術品としても評価されています。

・緻密なデザイン:中国の伝統的な水墨画や、当時の政治的・文化的テーマを描いた切手は、収集家の間で高く評価されています。

・特別なシリーズ:「赤猿切手」（1980年発行）や「全国山河一片紅」（1968年発行）など、特に有名でデザイン性の高い切手は、その美しさから人気を集めています。


3. 中国国内の経済成長と富裕層による投資
近年、中国経済の成長により富裕層が増加したことが、中国切手市場に大きな影響を与えています。

・投資対象としての魅力:絵画や陶磁器などの他の美術品と比較して保管が容易であることや、将来的な値上がりが期待できることから、中国切手は投資対象として人気が高まっています。

・自国文化の再評価:中国の富裕層が自国の歴史や文化に対する関心を高め、切手の「買い戻し」や収集を活発に行うようになったことも、市場価格の高騰に拍車をかけています。これにより、切手が市場に出回る数が減少し、さらに希少性が高まっています。


これらの要因が複合的に作用し、中国切手は単なるコレクションアイテムを超え、歴史的価値と投資価値を兼ね備えた人気の対象となっています。